2006年09月30日

cappablack

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 イレヴン(iLLEVEN / programing)とハシム・B(HASHIM B./ programing&scratching)のユニット。モブ・ディープなどが残した90年代初期〜中期のロウなヒップホップに深い影響を受けたストイックなビートとノワールな空気感を組合せ、後に日本発のインストゥルメンタル・ヒップホップの名盤と評価されることになるデビュー・アルバム『the state of the night』を97年末にsoup-diskからリリース。その直後に、ハシム・Bが本格的に加わる。DJヴァディムとの共演で知られるUKのラッパー集団=マンデルブロート・セット&スターヴィン・アーティスツをフィーチャーした12インチ『the opposition e.p.』のリリース、ブリストルのヒップホップ/ブレイクビーツ・レーベルHOMBREのコンピレーション・アルバム『Out For Fame!』への参加などを経て、ビート&スクラッチのスリリングなコンビネーションを進化させ、ユニットとしての形を完成させていった。

 00年にリリースした2枚目となる12インチ『the economics e.p.』が、ドイツのダブ・エレクトロニック・ミュージックの重要人物ポールの耳に留まり、日本人アーティストとして初めてポール主宰のレーベルscapeのコンピレーション・アルバム『Staedtizism 3: Instrumentals』に参加する(02年)。提供したトラック“Components & Variables”が高い評価を受け、ポールからアルバム制作のオファーを受ける。しかしながらアルバム制作は遅々として進まず、scapeのコンピ『Staedtizism 4』(03年)、『But Then Again』(04年)にそれぞれ新作トラックを提供するだけで、CAPPABLACKとしての表立った活動は殆どないままに月日が流れていった。

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2006年09月28日

2週間前のSquarepusherへのインタビュー

HelloEverything.jpg

「たいていの場合、僕は自分のスタジオの中身を披露するようなことに抵抗してきた。確かに、いたずらに秘密にしている要素はある。人を勘ぐらせるのは楽しいよ。それから、想像力を助長するしね。僕の作品をまねようとしても何を使っているかを想像しなければならないわけだし、機材の買い物リストを強要するわけでもないから。アイディアやインスピレーションを物質的手段に結合させるという実際の構築作業は、簡単に学ぶことも説明することもできない。例外的に、何かしらの包括的な現象学的検証を経たら、可能かもしれないけれど。音楽作りのプロセスにとって、これは厳密であり、かつ価値の高いことなんだ。僕は、基本的に、音楽を作る上で機材や物が作曲家と等しく重要だという考え方に与したくないと思ってきた。表面上の重要性以上のものが機材にあると考える、物質に取り憑かれた音楽シーンの象徴に思えてならなかったんだ。雑誌は、より新しくより良い機材は必然的により新しくより良い音楽を作り出すという俗っぽい考え方を助長しているように思う。僕は、決して、この消費者を奴隷にするような過程の恩恵に預かりたくない。最近は、しかし、機材や道具の役割を否定するということは、道具を完璧に使いこなす天才、というアーティストに対する伝統的な考え方を補強してしまうのではないかとも考えるようになった。これも、僕は問題だと思う。僕は、機材はそれが使われるサウンドの性格を決定付けるだけでなく、楽曲として構築される上でも、重要な役割を果たしていると思い始めている。ある特定の機材が、曲に対するある特定のアプローチを助けることもあり得る。見方が変わったことで、道具を使いこなす名人という高い位置にいたアーティストという存在が、機材の協力者くらいのより低い位置へと降格するという変化が生じた。いずれにしろ、これは有効で、僕にとっては重要な一歩といえる。昔風の特権階級的な考え方は高尚な位置付けを生み出すけれど、必然的にアーティストを社会から疎外してもしまう。天才だけれど、部外者といったように。なくすのは結局無理かもしれないけれど、この天才でかつ部外者という位置付けは、僕らの時代にはそぐわない。部外者という伝統的な考え方だと、社会の内側からは何も達成し得ないという特異な見方が生じる危険性がある。距離があるからこそ、部外者は鋭い洞察を持って発言できるのかもしれない。この考え方は社会がもっと緊密だった時代から続くもので、結果として部外者という相反する考えも同様に意味を持っていたように僕には思える。疎外と多様性がますます広まっていく僕らの時代に、誰も彼もが部外者となりつつあるのだから、この考え方はますます無意味になっていく。一つの文化的な小集団は、他者にとっては部外なのだ。非多様化社会であれば、部外者の思想は簡単に定義付けできる。僕らの状況は、かつてなくより曖昧となり、ゆえに個人のアイデンティティの一面と同様、急速に不安定化しているように見える。もちろん、純粋に僕らの社会の外に置かれている人たちもいる。例えば、開発途上国の人々。こうした、事実、外に置かれた人たちには、重要性など授けられてはいない。アーティストを“部外者”とする僕の幻想のばかばかしさは、自分たちの社会的境界線を越えたところに存在する人たちに対する僕らの無関心さによって悪化しているように思う。“部外者”は、ミュージシャンやアーティストの、分析のなされない独り善がりな夢想の中でアナクロニズムとして残存している。いまだに、アーティストを、優れた見方を持つ“特別な”人間のように考える傾向がある。さらに悪いことに、それにしがみついているように見える。“部外者”コンプレックスは、多くの人気ミュージシャンが口にする戯言を少しでも読もうと思う人たちに特徴的な自己妄想を増長させる。僕からしてみれば、これは賞味期限切れの過去の遺物とすべきだと思う。この天才というコンセプト、そして個性と特権というそれに関連した考え方は、西洋文化の輝かしい芸術的成果の根幹とされてきたように思える。しかしながら、こうした考え方の遺物は、まやかしの現実へと毒された者たちを導くただの毒である。天才というコンセプトはもはや僕らには実感できないと思う」
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2006年09月27日

4年前のThomas Brinkmannへのインタビューその2

Studio1-Variationen.jpg

――自身のレーベルもやってて、経済的にどうやって成立させてますか? アンダーグラウンドでやっていく上で、ビジネス面も大事だと思いますが。
「テクノではこれが一番大きな問題なんだ。まあ、テクノだけじゃないけどね。テクノは一つの新たな構造、サブカルチャーを一から作り上げたんだ。Kompaktのようなレーベルは、クリエイティブであり、音楽をリリースしてるし、ディストリビューションもやってる。彼らはいろんなインディー・レーベルとも仕事をしている。“インディペンデント”という言葉はもてはやされてるが、初期のテクノはメジャーという構造から離れて始まったものだったから、本当にインディペンデントだった。でも、個人で音楽をやってるだけでは不十分なんだ。一つの都市に、より大きなムーヴメントが必要なんだ。世界に、このようなメジャーとは別の構造をもった都市というのは、数カ所しかない。幸運なことに、ケルンがその一つなんだ。それに、ケルンのムーヴメントはテクノだけではなく、いろんな音楽に影響されてる。A-Musikもケルンにあって、彼らは僕からすれば重要な存在なんだ」
――テクノでは当然ミニマルな要素が重要ですが、あなたの音楽にはテクノのミニマリズムだけではなく、過去のミニマル・ミュージック、そしてミニマル・ムーヴメントの影響を感じられますが、実際はどうですか?
「いや、ミニマルは20年前からのムーヴメントではない。もっと古いものだよ。例えば、教会の鐘の音はミニマルだけど、数百年前から存在してる。シンプルな構造の中にも、高次元の複雑性があるんだ。建築でもそうだよ。シンプルな建築物は魅力的で機能的なんだ。僕にとって、複雑な音楽というのは、装飾音ばかりでバロック的だとも言える。ミニマリズムという概念は、よりクラシックに近い。ヴァレンティノ・ロッシのホンダのオートバイはシンプルな作りだけど、今でもレースで優勝してる。シンプルなものほど、可能性が秘められてるし、簡単に理解できるわけじゃない」
――日本でもそうですが、正式な音楽教育を受ける人は、今言ったようなバロック的な教育を受けてテクニックを磨く方向にいきますよね。テクノはそういった考え方を変えたとも言われていますが、そう思いますか?
「一般的に、テクノ・ミュージックは人気はないんだよ。一般的な数から言えば、大半の人がテクノを聴いてるわけじゃないし、チャートに入ってるわけじゃない。テクノの構造を利用して、例えばビョークのような人がヒットを飛ばしてるけどね。東京という都市だって、日本庭園のような街ではない。でも、日本人は心の中で、日本庭園の美学を理解してる。そういうセンスが備わってるんだ。日本人はミニマリズムのセンスをもともと持ってるんだよ。建築でも明らかだね。東京はこんなに建物が多いのに、それが伝わってくるよ。世界中を見渡すと、大多数のアートはダメだけど、少数派でみんなとは違った考え方をもってるヤツも必ずいるんだ」
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2006年09月26日

4年前のThomas Brinkmannへのインタビューその1

Live@Weetamix.jpg

 まったくもって、ご無沙汰でございます。忙しいとばかり言っていても芸がないんですが、忙しいです。というわけで、本日はまたまた見つけてきたこれで、よろしくお願いいたします。4年前のsonar japanで話を訊きました。このときCDをもらったルチアーノはいまや人気者ですね。ところで、今日はローラン・ガルニエにインタビューしてきました。彼の本『エレクトロショック』(良い本ですよ)の話をメインに訊いたのだけど、インタビューというよりも、音楽を世に広めていくにあたっていろいろと悪くなっている一方の状況についての話し合いの場と化しました。ほんとうに考えていかないといけない問題が山積みです。享受するのは与える人がいないと成り立たない、という当たり前のことが何でこうもないがしろにされるのでしょう……。

──ソナーみたいなフェスティバルは、日本だと街とか国の援助がないんですよ。アカデミズムとかファイン・アートの世界にいくと援助は受けられるけど、この辺の音楽だとフェスティバルだと援助は受けられないんですよ。アーティストは、アカデミズムに走るか、お金を儲けるためにポップ的な方向にいきます。こういう状況ってどう思いますか?
「スイスに行ったんだけど、そっちでも同じだったよ。バカな仕事をすれば、生活するために十分なお金は儲けられる。でも、音楽では十分な稼ぎはない。コマーシャルな方向にいけば話は別だけど。コマーシャルになるには、メジャーと契約しないといけない。このルチアーノというアーティストは、スイスで100パーセント本物の音楽を作ってる唯一のアーティストだよ。彼はもともとチリ出身なんだけど、ジュネーブに住んでるんだ。音楽を本当にやりたいんなら、集中するしかないんだ。アカデミックなシステムというのは、いろんなものを破壊してるっていうことも忘れちゃいけない。アカデミックな人間は、他の人のアイデアを盗んで、常識の世界に引き戻そうとするんだ。例えそれがオープンな常識であってもね。新しいものは、こういった構造から生まれてくるものじゃないんだ。個人の人間から生まれてくるものなんだよ。それが文化という文脈の中で語られてるだけなんだ。こういった個人の人間は、歴史というピラミッドの上に立ってるんだ。視点が狭くなってしまえば、周りで起こっていることが目に入らなくなってしまう。僕は大学で美術を勉強したんだけど、美術の知識が豊富になりすぎて、アートを作り出せなくなってしまった。人の話ばかり聞いて、絵を描けなくなってしまった(笑)」
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2006年09月15日

河童出ますよ

cappablack_facades&skeletons

 書きたいことは山ほどあるんですが、やるべきことも山ほどあって、書く時間がないという日々が先月から続いています。そのやるべきことの一つ、cappablackのアルバム『facades & skeletons』がいよいよ本当にお目見えいたします。scapeからワールドワイドに11/10に発売! 日本はdisques cordeからちょっとだけ先行で11/4に発売です! scape盤は既発のコンピ『Staedtizism3』などの収録曲3曲を含めた13曲収録に対して、日本盤は全部新曲オンリーの16曲収録という太っ腹な内容です。もう言葉より何より、早く聴いて頂きたい!という気持ちでいっぱいです。
 『the state of the night』をsoupからリリースしたのが97年(いまだ愛聴しているという嬉しい声をたまに聞きます)。9年間にオリジナル・リリースは、アルバム1枚に12インチ2枚だけ、という呆れるばかりの寡作ぶり、と書いていて、改めて自分でも呆れ果ててます、ホント。ステファン(Pole)もよく辛抱強く待っていてくれたものだと。
 あ〜、ダメですね、いろいろ思い出すとしんみりして来ちゃいますが、待っていたという奇特な方々、もうしばらくだけお持ち下さい。そして、河童って何よ?という大多数の方々には、絶対気にしていた方が良いですよ!と声を大にして言わせてもらいますよ!

(ひとまず、裏ジャケから)
posted by 原 雅明 at 06:49| Comment(2) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月08日

本日はこれだけ

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posted by 原 雅明 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月04日

10/13 & 14です!

 もうあまりに忙し過ぎて曜日の感覚すら麻痺しています。blogがすっかり滞ってごめんなさい。メールの返事も滞りがちで各方面にご迷惑おかしています。申し訳ないです。が、しかし、物事は進めているのですよ。というわけで、今日はまずは、KARAFUTOのリリース・パーティのお知らせから行きます! 決まりました!

KARAFUTO presents
Shift to the other time

2006/10/13 (FRI) at 代官山 UNIT & SALOON(03-5459-8630)
OPEN / START 23:00
DOOR 3,000 yen

B2F: UNIT
DJ:
KARAFUTO <5 HOURS SET>
NAO TOKUI

B3F: SALOON
LIVE:
SUZUKISKI
iLLEVEN from CAPPABLACK feat. EMIRP
DJ:
MOODMAN
INNER SCIENCE
DAI KURIHARA

2006/10/14 (SAT) at 大阪 CLUB SOUND-CHANNEL(06-6561-6222)
OPEN / START 22:00
DOOR 3,000 yen (with 1drink)

DJ:
KARAFUTO <5 HOURS SET>
KUNIO ASAI
LIVE:
EATER


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posted by 原 雅明 at 18:15| Comment(1) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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