
そもそも何でLAに来ているのか、というとTokion誌の取材で飛ばされたのです。LAについて何だかんだ言っているなら自分で行って来いと。それがあまりに突然決まったので、大変なことになったんですが、ほんとうに久々にジャーナリストらしい仕事をさせていただきます(Tokionは音楽雑誌ではないので、実際に旅した街のドキュメントが中心になります)。その本編は12月に発売する誌面を見ていただくとして、ここでは備忘録も兼ねて、補足的な報告をします。
まず、前日の話から始めましょう。ホテルでハシムと合流したあと、休む間もなくダディ・ケヴの事務所兼スタジオに向かいました。ダウンタウンの古くて味のある雑居ビルの一室です。ケヴのパートナーでAlpha Pupの切り盛りをしているダニエルとも会いました。インタビューというにはあまりに長い時間話をし、途中時差ボケの睡魔に襲われながらも有意義な話ができたと思いました。プロジェクト・ブロウドのことからソニーでA&Rをやっていたときの話まで。同じ時代に同じようなことを考え実践していたことを確認したり、日本との違いなど、思うことが多々ありましたが、あまりに眠かったので、その後の記憶は徐々に整理していきます。
それでもって、本日2日目です。ハシムは徹夜状態でFader Japanの原稿(ケヴ主宰のパーティLow End TheoryとAlpha Pupの特集が11月発売号で掲載されます)を上げて、朝からホテルに迎えに来てくれました。陽は燦々と降り注ぎ、紫外線はやたらきつく、暑いけど湿気はないので肌は乾燥し、喉の乾きも尋常ではありません。みなさん早寝早起き、陽がかげると外は閑散としてナイトライフなど何処にあるのでしょうという、車社会の中のスローライフを実践しているのがLAなのかと少し実感し始めた本日は、インターネット・ラジオ局Dublabに行きました。ここをやっているフロスティは、cappablackを熱心にかけてくれたり、昔、下北沢時代のOnsaにノーバディ共々やってきてDJをして、
こんな文章を書いたりしていた人です。Dublabの事務所兼スタジオではデイデラスが生放送でライヴをやりました(デイデラスとフロスティでアドヴェンチャー・タイムをやってますね)。Dublabと事務所をシェアしているのはPlug Researchで、この主宰者アランは昔computer soupのライセンスをするときにやりとりをしたことがあるのですが、実際に会うのは初めてでした。10年近くの歳月を経て初対面することに何か変な感じがしました。
事務所の壁にはDublabが夢想した架空のパーティのポスターが壁一面に貼られていて、それは相当にマニアックなもので、たとえば、1980年のウィーンで行われたパーティでは、トム・ウェイツとビリー・ホリデーとハリー・パーチとノイ!が出演したりしてました。ソフト・マシーンとクララ・ロックモアが、ボアダムズとドロシー・アシュビーが、ドレクシアとマイルス・デイヴィスが競演するというポスターもありました。手が込みすぎていて感心しつつも呆れ果てました。ここで、フロスティとデイデラスにインタビュー。
そのあと、デイデラスとアイスクリームを喰ってからミア・ドイ・トッドの自宅に行き、そこにカルロス・ニーニョ他2名が登場し、カルロスの熱弁とミア・ドイの超スローなペースに揺すられて、さらにまたもジェットラグにも襲われて、大変でしたが、頑張りました。そんなわけでもう2日目も終了です。陽がかげると人々がいなくなるので、自ずと終了モードになるのです。
ちなみに今日会った二人ですが、デイデラスはニュー・アルバム『Throw A Fit』、カルロス・ニーニョは(いまドクター・ドレーのストリングス・アレンジの仕事をしているという注目の人)ミゲル・アットウッド・ファーガソンとのコラボ・アルバム『フィル・ザ・ハート・シェイプド・カップ』をそれぞれ11月10日に国内盤でリリースしますので、ぜひ聴いてみてください。
さて、明日はいよいよLow End Theoryなんですが、その前に2件取材をしないといけません。それでは、お休みなさい。