
EPMDの『Strictly Business』のツアーでバックダンサーを務めていたステゾのデビューにして唯一のアルバムの肝は、その秀逸なプロダクションに尽きます。スコーンと抜けたドラムの心地よいブレイクが終始持続していくだけ(誉め言葉ですよ)のこのアルバムは、故ポール・CのMix&Engineer仕事としても一部では有名ですね。ESGの“UFO”なんかも使われていますが、何と言ってもスカル・スナップスの“It's A New Day”が印象に残ります。いまでは定番のこのネタですが、見つけてきたのはステゾの従兄弟であるドゥーリー・O(Stones Throwからの再発でも知られていますね)とその友人のクリス・ロウで、近所の叔母さんの地下室から発掘したと言われています。
ドゥーリー・Oとクリスは、スカル・スナップスのブレイクに狂喜して、そのループを、クイーンズにあったStudio1212のエンジニアだったポール・Cの元に持ち込みました。そして作り上げられたのがこのアルバムです。クリスは、ポール・Cと共に大半のトラックを手掛けたのですが、アルバムのクレジットにはクリスの名前もドゥーリー・Oの名前もありませんでした。まあ、上手いことステゾに持って行かれたというわけです。Stones Throwはそんなドゥーリー・Oたちの恨みを晴らすべく、同じ“It's A New Day”使いのドゥーリー・Oのお蔵入り音源“Piece Of The Pie”をリリースしましたね。
実際どの程度のバランスだったのかは分かりかねますが、僅か24歳という若さで死去し、それまでの短いキャリアの中で、ウルトラマグネティックMC'sやメイン・ソースやエリック・B&ラキムなどと仕事をし、ラージ・プロフェッサーに伝授するほどに若くしてSP使いの達人だった“白人”ポール・Cと、ドゥーリー・Oたちとのコンビネーションの妙は、残されたビートからだけでも十二分に想像を掻き立てるものがあります。いまでこそ何気ないと思えるビートですが、これにグッと来ることがない人とは、やっぱり僕は音楽についての話をすることができないかもしれません。
いい話ですねー、、、
サンプラーに電源いれたくなりました。
名古屋は酷暑です。。。
また9月くらいにでも顔だしますね。
お元気ですか?
こっちも暑いことは暑いんだけど、なんか中途半端な夏という感じですね。
いろいろ面白い話がありますよ。音ももちろん。
ぜひ9月にお会いしませう。