
オーストラリアのジャズ・トリオ、Trioskは、Jan Jelinekに見出されて、彼とのコラボ・アルバム『1+3+1』(scape)で一気に注目を集めましたが、その後、2枚のフル・アルバムで更に素晴らしい世界を聴かせてくれました。ジャズと言えどもジャズに非ずな演奏スタイル、とはいえアヴァン・ジャズやクラブ・ジャズのクリシェにも陥らず、繊細かつグルーヴィな展開を創出していて、個人的にも最も見てみたいバンドの一つでした。だから、Jan経由で彼らからコンタクトがあったときは嬉しかったですね。というわけで、今年のmoxa第一弾はTrioskに決定です!
disques corde and Onsa present
moxa
2007.3.23(Fri) at 六本木 Super Deluxe(03-5412-0515)
OPEN / START 20:00
ADVANCE 3,500 yen / DOOR 4,000 yen
LIVE:
TRIOSK
(Laurence Pike - Drums, Adrian Klumpes - Piano/Keyboards, Ben Waples - Bass)
DJ:
白石隆之(Exclusive DJ Set)
オールナイトではないので、終電が気になる方もどうぞご安心を。ライヴは2セットのロング・プレイを予定していますから、存分に堪能できるはずです。そして、Poleたちを招いた昨年末のmoxaで温もりのある素晴らしいDJを聴かせてくれた白石隆之に、また一味違った大人のアトモスフェリックなDJセットでステージ前を暖めてもらいます。

そして、その翌日には、Jan JelinekがGramm名義で1999年にリリースした『Personal Rock』をリイシューします。当時、クリック・ハウス路線のFarben名義の活動と並行して制作された、よりリスニング志向の強いこのアルバムは、Janの『Loop-Finding-Jazz-Records』と並ぶ代表作と言っていいのですが、長らく入手困難な状態が続いていました。当時のリリース元は、Move D主宰のSource。このレーベルは90年代後半良質なエレクトロニック・ミュージックを紹介していました。Clearと同じくらい良いレーベルだったと思います。今回、そのSourseからライセンスの許可が下りて、とても嬉しかったです。Grammに続いては、Move Dも参加しているConjointのセカンド・アルバムもリイシュー予定ですのでお楽しみに!
ところで、Clearと言えば、先にリイシューされたAs Oneの名盤『In With Their Arps and Moogs and Jazz and Things』で僕がライナーを書かせて頂いた際に、昔自分がClearについて書いた文章などを読み直して、改めて徒花のように散っていったこのレーベルのことを考えてみました。レーベル運営なんて因果な仕事です(……)。でも、ClearやSourceの音源を改めて聴き直していると、やっぱり鼓舞されるものは確実にあるのです。いまでないと出来ないことをやるべきだ、と。