2007年08月11日

common

 引き続き『Finding Forever』を聴き続けています。どう聴いても良いのです。現在発売中のStudio Voiceで僕は分担してディスクレビューを書く、というのをやっているんですが、ページをシェアしている小野田雄さんがこのアルバムを取り上げて「カニエのトラックが真っ当すぎて逆に物足りなくもあり、」と書かれていました。しかし、僕にはカニエはとんでもなく面白いことをしている、としか聞こえないのですよ。何が面白いのか、は次のミュージックマガジンのレビューで丁寧に書きましたからぜひ読んで頂きたいと思いますが、端折って言うと、ビートを意識的に弱めてサンプリングの自由度を上げるということに成功しているんですね。こいつはかなり凄いことではないかと思われます。イレヴンも力説していましたが、リリー・アレンを引っ張ってきた曲なんてロータリー・コネクションを使ってもど真ん中にビートを置かないで、滑らかにブレイクを転がしていくことに成功しているんですよね。この軽妙さがたまらんのです。確かにこれでど真ん中にビート置いたらスピナになってしまうだけですものね。そして、多少大袈裟に言うなら、J・ディラの亡霊を吹っ切ったって感じですね。
 一見、何の繋がりもありませんが、□□□の今度出るメジャー・デビュー・アルバム『GOLDEN LOVE』の、全編に渡る軽妙なブレイクの転がしようというのも、実は近いものがあるんではないか、と感じてもいます。そのことは次のバァフアウト誌のインタビューでちゃんと書いたつもりなので、これもぜひとも読んでみてください。自由度の高いビートっていうのは、まだまだあると思うのですよ。そして、件のSV誌のditchのレビューで日々の苦々しい感情をミニマルな作法でグッと押し殺しながら書きましたが、フックばっかりご丁寧に用意されている音楽をそのフックに反応してああだこうだ言ったってほんとうに意味がないと思います。聴くべき自由度はまだまだあるのに。オカズだけ食べていると身体に悪いです。


posted by 原 雅明 at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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